2024.7.17
特集
自分にとってより良い製品をどう選ぶか?永遠の課題とも言えるモノ選び。だから改めて訴えたいのは、〝心で感じて選ぶ〞ということ。情報も必要だけれど、それ以上にモノの奥に潜む作り手の思いや、その製品自体に宿る精神性といったものをていねいに読み取ることが大切なのだ。モノより心の時代と言われる今、心の目で選ぶことで、おのずと自分が出合うべきものと出合えるはずだし、情熱を持って本気で選んだモノはきっと感動をもたらしてくれるはずだから。化粧品はモノであってモノでない。だから心を使って選ぶと予想を超えてくる。それこそが美しい選択……。
例えば口コミは大切な情報源だけれども、良いと聞いたモノを、自分自身のフィルターを通さず、納得することなく手にするのは、スマートなモノ選びとは言えない。まず誰が作ったか。開発したのはどんなメーカーなのかをちゃんと知っておくこと。産地直送の果物を買うような関心を持って選ぶようにすると、今まで見えなかったことがいろいろ見えてくる。買い物するほどに消費者としての学びになる、まずはそういうモノ選びをしたいのだ。
ブランドにも意思があり、感情がある。化粧品なら、本気で人をキレイにしたいと思っているブランドもあれば、広い視野で地球を美しくしたいブランドもある。公式ホームページを見て、共感できるメッセージがあれば、それは同じ価値観を持つブランドと考えてもよく、きっとそういうブランドが作る製品には深い信頼が持てるはず。実はそうした信頼も化粧品の働きを高める暗示効果となること、信じてみたいのだ。
〝売れ続けるものほど効く〞、〝新しいものほど効く〞 ……どちらも真実だし説得力がある。ただそれをさらに確信ある選択肢にするために知っておくべきは、定番モノが強い洗顔料や化粧水などはロングセラーを、トレンドが激しく変わり、毎シーズン進化が話題になるようなアイテムは新製品を。メイクものも、新作ばかり追いかけず、進化より絶妙なバランスがものをいうパウダーやペンシルの類はロングセラーに注目してほしい。とまあ、それぞれの意味するところを知った上で、無駄なく振り分けを。
トレンドは追いかけるべきか否か、昔からあるこの問題、一体どちらが正しいのだろう。結論を言えば、両方イエス。新しいものに飛びつくワクワクするような高揚感はキレイのスイッチとなるし、どんなトレンドも平然とやり過ごせる自然な自信は、キレイの地固めとなるからだ。ただトレンドを追うならなるべく早くスピード感を持って。逆に追わない場合もトレンドの動きはちゃんと知っておく。大切な約束だ。
じゃあ国内発か海外発か? かつて日本人の肌に海外発は合わないとされた時代もあったが、今や日本人の肌向けに日本で作られているケースも多々。そういう国境はもうないと考えて。ただ日本のモノ作りの職人気質は化粧品も例外ではなく、心地よいテクスチャーの追求はもちろん、一品で何役もというマルチ化もとどまることを知らない。しかし海外発の高級コスメがもたらす至福の時も底知れない。自然界のものから無限の力を引き出す惜しみない投資や、先進モードとの共作はやはり海外発ならでは。いずれにせよ、海外発と日本発、それぞれがくれる夢を見分けることも喜びの一つになるはずだ。
〝高価なものほど効く〞。長い間揺るがなかったこの法則も、リーマンショック以降、トーンダウン。プチプラコスメがにわかに品質を高めたからだ。でも気づいていただろうか。高品質が安価で買える時代だからこそ、高級品が高額である理由がより明快になり、高級がそれまで以上の価値を持ったことに。今や価格以上の満足感と結果をもたらせなければ誰も納得しない時代。だから今こそ高級品は選びどき、とも言えるのである。
カラーコスメ、何となく選んでしまっていないだろうか。確信を持ってカラーを選ぶことは事実難しい。だから聞いてほしいのが「TANメイク」のこと。それは〝ISETAN〞発信、トレンドを意識しながらも雰囲気を大切にし、一人ひとりの魅力を最大限に引き出す、洗練度100%の雰囲気美人メイク。肌も表情も、その人自身も輝いて見えることが約束。だからそれを色選び・モノ選びの基準にしたいのだ。〝洗練美〞という、形にするのは難しく、でも今最も価値ある仕上がりを得るためにも。
化粧品の買い物はそれ自体がスキンケア。ネットの時代ならばこそ、逆に一対一で直に説明を聞くだけできっとキレイになれるとの強い確信を持てるから。どこでどんな人から化粧品を買うか、それで効果が変わってくると信じたいのだ。コスメ市場の最前線、伊勢丹でのコスメ買いにこだわる人が少なくないのも、きっとそれがため。まさにモノであってモノでないからこそ、化粧品は関わった人の分だけ、力を増す、そういうものだと信じたいのである。
文/齋藤 薫
美容ジャーナリスト、エッセイスト。女性誌編集者の経験を活かして美容記事の企画に携わるほか、化粧品会社や百貨店のコンサルタント、広告や商品開発のアドバイザーなど、幅広く活躍中。著書に『「美人」へのレッスン』『美人だけが知っている100の秘密』など多数。
イラスト:ほりはたまお
制作:ハースト婦人画報社 HEARST made
企画:STUDIO ALTA
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