2024.3.1
コラム
井浦 新さんと妻のあいさんによるコスメブランド〈Kruhi/クルヒ〉から、スイスのウェルネスブランド〈nahrin/ナリン〉とのコラボ商品が誕生。新さんが長年愛用しているという〈nahrin〉の「ハーブオイル33+7」をベースに完成したのが、「Kruhi climbing nahrin」シリーズです。もともと、香りへの並々ならぬ情熱をお持ちの新さん。普段の香りとの付き合い方や〈Kruhi〉のオリジナルアロマ「キャンディフォレスト アロマスケープ」のこと、〈nahrin〉とのコラボに至った経緯などについて伺いました。
―今回〈nahrin〉とのコラボ商品が発売されますが、まずは既存の「キャンディフォレスト アロマスケープ」の香りについてお聞かせください。かわいらしくて爽やかでほかにない香りですね。
新さん 香りも、〈Kruhi〉の大切な個性のひとつだと思っています。これまでナチュラルコスメではあまりなかったような香りを作りたいと思い、僕が調香しました。「キャンディフォレスト アロマスケープ」の香りは、森の中にあるお菓子の家をイメージしています。頭の中に物語を思い描きながら、香りを足したり引いたりして調香していきました。
あいさん 最初に香りを嗅いだ時は衝撃的で、何これいい香り!って。話を聞くと、役作りと同じようなクリエイションだったようです。
新さん そうですね。考え方は同じです。森の中を彷徨いながら歩いていたら、果物や花、植物たちと出会って、そのまま森の中を進んでいくと、その先にお菓子の家があるというストーリー。さまざまなシーンを思い描きながらこの香りに辿り着きました。
手に取った時と頭皮につけた時、洗い流したあとでは少しずつ香りの変化が感じられると思います。シンプルな香りというよりは、複雑でユニークで、気持ちがあがるものにしたいという思いがありました。1日の終わりのバスタイムを楽しい時間にしてもらえたら嬉しいです。
―もともと香りがお好きだそうですね。役作りのためにも香りを活用しているのだとか。
新さん はい。俳優として映画やドラマで役を演じる時は、そのイメージに合った香りを用意します。精油をブレンドするときもあれば、単体の香りを使うことも。あとは〈nahrin〉の「ハーブオイル33+7」のようにお気に入りのブレンドオイルを使う時もあります。
あいさん ビューティアポセカリーに行くと、よく香りのコーナーで新しい香りと出会おうと嗅いでいますね。
新さん ミュージアムのように香りがたくさんあるので、ワクワクする空間です。あれってどんな香りだっけとか、これはどんなバランスの香りなんだろうとか、これはなんでこんな香りにしたんだろうとか。おもしろい香りとの出会いがあります。
―役作りのための香りはどんな風に作るのですか?
新さん 役の持つ雰囲気を香りで構成していきます。ベースノートは強めだけど重いだけの人間じゃないから、トップノートはちょっとさっぱりした香りで。でもフローラルじゃないんだよなとか。役作りのための香りは、いい香りを作りたいというよりその役の持っているオーラとか外側のイメージに合った香りをトップ・ミドル・ベースノートで組み合わせていきます。
―おもしろいですね。同時に違う役を演じる時はどうしていますか?
新さん 役に合わせて香りは使い分けています。こっちの作品に入る時は自分で作ったエッセンシャルオイルをつけて、つぎの日違う現場では違う香りをと、香りを変えることで役のスイッチングになるんです。ずっとそれでやってきているので、自分で作った香りを嗅ぐと役にもすっと入り込みやすいんです。
―長年愛用されているという〈nahrin〉との出会いは?
新さん ファッションモデルとして活動していた頃、ヘアメイクさんの海外のお土産でいただいたのがきっかけです。もう25年くらい前ですね。それが〈nahrin〉の「ハーブオイル33+7」。以来、お守りのような存在でずっと愛用しています。
―そんな愛してやまないブランドとのコラボレーションが実現した経緯について教えてください。
新さん こちらからオファーさせてもらいました。〈nahrin〉は70年もの歴史を持つブランド、それに対して僕らはまだ1年目。相手にされないだろうと思っていたのですが、こちらの熱いラブコールを受けてくださって。代表して僕がスイスの本社へ伺いました。僕たち〈Kruhi〉の商品や取り組みについてプレゼンしたところ、すごくおもしろがってくださってコラボが実現しました。
これまで〈nahrin〉が他ブランドとコラボすることなんてなかったんです。ブランドのこだわりや歴史が詰まった商品を他ブランドのものと混ぜるなんてしてこなかったことだけれど、「日本のあなたちとそういう初めての試みをやってみましょう」と言っていただいて。めちゃくちゃ感動です。夢がひとつ叶ってしまいました。
―それで誕生したのですね。
新さん はい。僕が大好きな「ハーブオイル33+7」は、〈nahrin〉の代表的な香り。33種類の精油と7種類の蒸留水でできているのですが、そのうちの33種のハーブと〈Kruhi〉の基剤であるパッションフルーツ蒸留水を組み合わせて出来上がったのが、「Kruhi climbing nahrin」シャンプー&トリートメントです。
―「Kruhi climbing nahrin」という名前の由来は何でしょうか?
新さん 僕たちから見たら〈nahrin〉は、憧れの高い山のような存在。スイスを訪れた時アルプスへ立ち寄り、そこに自生しているハーブをフィールドワークしながら登りました。そうしていると、『僕たちが〈nahrin〉という高い山に登っていく』というストーリーが頭に浮かんだんです。名前にもそれを表現したいなと思って、あえて「climbing」という言葉を選びました。香りの名前も〈nahrin〉を山に見立てて、ナリン山の香りということで「Mt.NAHRIN AROMASCAPE(マウントナリンアロマスケープ)」に。
あいさん ストーリーを聞くと、頭の中にアルプスの山々の情景が広がりますよね。最初に嗅いだ時は「これ最高!!」って興奮して叫んでしまいました(笑)。もちろん「キャンディフォレスト アロマスケープ」も大好きだけれど、この香りも本当に素晴らしいんです。気持ちがスッキリするような爽やかな香りとミントの心地よい清涼感があって。サンプルを作っていたのがちょうど昨年の秋くらい。まだ暑かったからすごく気持ちよかったのを覚えています。天然由来の成分でこんなに清涼感を感じられるんだって、今回またお勉強になりました。
新さん ミント系の清涼感はスカルプケアとしてもおすすめ。頭皮に揉み込んでから髪にも伸ばしてみてください。もしすでに「キャンディフォレスト アロマスケープ」をお持ちの方がいらしたら、ぜひ一緒に使うのもおすすめです。例えば、シャンプーは「キャンディフォレスト アロマスケープ」で、トリートメントが「マウントナリンアロマスケープ」とか。もちろんその逆でも。まったく違ったアプローチの香りなのにマッチするんです。両方の基材にたっぷりと使っているパッションフルーツ蒸留水の香りがそれぞれを繋げてくれて、頭皮と髪で香りのマリアージュをお楽しみいただけます。
あいさん 〈Kruhi〉のトリートメントは頭皮にもつけられる処方なので、ぜひこの清涼感を感じてもらいたいです。デスクに1本置いて、仕事中の気分を切り替えにもいいかもしれませんね。香りもすごく爽やかで、頭皮も爽やかになって、熱がこもりやすい頭も気持ちも軽くしてくれます。
―〈nahrin〉の本社を訪れていかがでしたか?
新さん 働きたいと思うくらい本当に素晴らしかったです。会社も工場も太陽光と地熱ですべての電気を補っていました。とにかく、社員一人一人が健康に仕事をする、そして環境に負荷をかけない、という働き方が徹底されていて、ここは働いていたら幸せだろうなと。
―〈nahrin〉では、香りについてどんなお話をされたのですか?
新さん:香りの担当の人ともお会いして、どんな香りにしようかって相談したのですが、めちゃくちゃ楽しかったですね。〈Kruhi〉の香りは、「嗅いだことないユニークな香りだね」と言ってくださって。使っているタンカンについて尋ねられたので日本のシトラスだと答えると、「じゃあヨーロッパでは会えないね。日本にも行ってみたいんだよ」と。日本には固有の植物があって、四季があって、自然が豊かな島国だという印象を持ってくださっているようです。日本の植物は興味を持たれていたのは嬉しかったですね。
―ヨーロッパにはヨーロッパにしかない香りがあるように、日本も特有の香りがたくさんあるんですね。
新さん:そうなんです。〈Kruhi〉はそういうことを大事にしたいなと改めて思いました。〈nahrin〉の香りも使われているハーブも本当にマニアックで、これまで長く使ってきたけどこんなハーブが入っていたんだって改めて再確認するものもいくつかありました。中にはヨーロッパだから手に入るもの、日本人の僕には馴染みのない植物の名前もあって。その代わりに、日本にも固有の植物がたくさんあるんだと改めて気づいて。もっと日本の良さを伝えていきたいと思いました。
〈Kruhi〉のボトルには、「MADE IN KAGOSHIMA JAPAN」と記載しています。鹿児島のパートナー工場と出会って、地域で採れるパッションフルーツやタンカン、もちろん水も、大隅半島にある南大隅という町の豊かな自然の恵みを使って作らせてもらっています。鹿児島の自然豊かで小さな地域で生まれる〈Kruhi〉を、胸を張って日本だけでなく世界に届けたい。よりそんな思いが強くなりました。
―〈Kruhi〉のこれからの未来をどう思い描いていますか?
あいさん 〈nahrin〉がこの日本に到着していること、70年続いていることって、本当に真摯にものづくりを続けてきているからこそ、こんなに遠い日本でもファンが生まれていると思うんです。〈Kruhi〉はまだ1年ですが、これからも私たちが正しいと思うことをコツコツと続けていけたらいいなと思います。
伊勢丹新宿店 本館地下2階 ビューティアポセカリーでのPOP UPではいつも店頭に立たせていただくのですが、「使っています」とか、「本当に作ってくれてありがとうございます」とか嬉しい声をたくさん届けにきてくださるお客さまがいて。私たちの誠意や思いを受け止めてくださる方が必ずいるんだと、原動力になっています。
新さん POP UP はよかったという声はもちろん、間違って届いてしまっていた情報も直接話すことで伝え直せる場でもあるので、大事な機会だと思っています。以前、「価格が高いですね」とまっすぐなご意見をいただくこともありました。なかなかインタビューでも話すことがないことですが、理由はシンプル。すべてにおいて素材を贅沢に妥協なく使って、手間暇かけて作っているとこうなってしまうんです。それでも、〈Kruhi〉でしか味わえない使用感や効果、オリジナルを目指して作ってきているので、こういう金額になってしまうんです。伝えてくださった方々にこういったことも正直に説明できるチャンスでもあると思っています。
商品ラインナップは、シャンプーとトリートメント、バームですが、今後もっと増やしてずらっと並べてとはまだ考えていません。必要なものを必要なときに、ちゃんとゆっくり生み出していきたいと思っています。1点1点への想いが深すぎて、ひとつのプロダクトができていく設計図というのはものすごく複雑です。丹精込めて設計して、手間暇かけて作っていく本物のナチュラルコスメを作り続けたい。そのためにも一歩一歩キャリアを積み重ねながら、ナチュラルコスメの定番になっていけるようなものづくりや活動を自分たちでできる範囲でしていきたいと思っています。
スイス修道院に中世から伝わるハーブの叡智と環境への配慮を考えたものづくりを続けるウェルネスブランド<nahrin>とのコラボレーションヘアケアアイテム。
<Kruhi> Kruhi マウントナリンボタニカル石けんシャンプー 250mL 4,070円
<Kruhi> Kruhi マウントナリンボタニカルトリートメント 250mL 4,730円
人物撮影/中川 隆志 撮影アシスタント/中村 奈々恵・齋藤 瞳 レタッチ/矢作 純子・川向 真未 編集・TEXT/高野 瞳
*価格はすべて税込です。
*品切れの際はご容赦ください。
*2024年3月1日現在の価格です。価格が改定となる場合がございます。
高野 瞳
フリーランス編集・ライター。出版社や編集プロダクションを経て、独立。現在はライフスタイルや食、美容、ヨガなど幅広い分野の雑誌やwebメディアで執筆中。趣味は、旅行と散歩と猫。
Instagram : @thitomi_1225
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